暇だったので、ちょっと前に横浜のとらのあなで購入していた同人サークル水鏡の灯穂奇譚をプレイしました。 物語は、 -- 永井桐人が生まれ育った山村に遺してきた生家を引き払うために訪れたところから始まります。携帯は圏外、そんな田舎で再会をはたした幼馴染の加茂カナタ。桐人との再会を心待ちにしていた彼女は心の底から喜びます。穏やかな日が始まる予感、しかし。 寝付けない夜、桐人は闇に浮かぶ蛍のような二つの光を見てしまいます。まるで自分を誘っているかのように空中を舞うそれを追い、たどり着いた場所は村に古くからある神社[佐奈伎神社]。鳥居の向こうに続く階段の先は闇。蠢く木々と不気味な風のざわめきに彼は蛍を追うのを止め、その晩は家路に着きます。そう、その晩は・・・。 村に伝わる禁忌。 「夜に大声を出してはいけない」 「夜に人と争ってはいけない」 「月の無い夜に、女性は人前に姿を見せてはいけない」 同じ姓の村人。神社の奥にあるモノ。そして自分自身。知るほどに危うくなる現実と真実の境界線。この村に隠された真実とはいったいなんなのでしょうか。 -- やった感想ですが、プレイ時間6時間と少々ボリュームが少ない気はしますが十分楽しめました。しかし、救われない話です。バッドエンドも含め、エンディングは3つですが、ハッピーエンドは無く、俗に言うTRUEエンドというやつが最高のエンディングなんだと思います。 こういったTRUEエンドを迎える作品は序盤から中盤にかけてどれだけヒロインの魅力を表すかによって、そのあとプレイヤに与えるダメージが変わってきますね。かわいらしい絵柄と読みやすい文章にまんまとやられました。古事記についてはさっぱりでしたがっw しかし、なんだか初期に見せた複線らしきものがすっぱり切られているような気がします。神社で覗いた携帯の液晶に映っていた赤い眼や、カナタがやたら強いところ、あと犬。カナタが犬に殴り勝つあたりで、きっとこの村で生まれた女性は内に眠る人ならざる者の血によって夜になると変身して凶暴化するんだろうなーーーと思っていたのですが、単純に強かっただけのようです。うむ~、主人公の携帯に映った眼がほんとに謎だww 音楽については、曲数は少ないですが作品にあった静かな雰囲気が良いです。真実を知らされる場面の雰囲気にもあっており満足です。 システム面では、文章の縦書きと横書きが切り替えることができるのが良いですね。私はデフォルトの縦書きで読みましたw 絵ですが、みつみ美里さんの描いた絵に似てるなーーと思うCGが何点かありました。すげー似てると思うんですが、なんかちょっと違うんですよね。かわいい絵柄で良いのですが。あと、メリハリの効いた塗りは好みですw あと、オープニングの歌はゲームを全て終えてから聴きなおすと感傷にひたれます・・・。フルバージョンがあるなら聴きたいなぁ。 -- 生まれる命 消えゆく全ての命 幸福の向こうでもなく(?) 残酷でただ美しい青空 今遥か -- 萌える場面では萌え、恐怖させる場面では恐怖させ、混乱させる場面では混乱を、しっかり行えています。ライトノベラーの私にはストーリーは難解でしたが、最初から最後まで一気に読めたので文章は読みやすいです。値段はオープンプライス(私は3000円)と謎の値段設定ですが、伝奇好きで絵柄が好みなら買っても損はないかと・・・。
by hige_thief
| 2005-06-05 23:05
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